ハピネス

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桐野夏生さんの作品は結構読んできましてたが、その中でも「ハピネス」は結構異質な作品だったと思います。

殺人事件も誘拐事件も起きないのに、作品全体に妙な緊張感があり、不思議な怖さがありました。

やっぱり、人妻って怖い!

ということで、今回は高層マンションに住む妻たちを描いた「ハピネス」のレビューをご紹介します。

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ハピネスのあらすじ

高級タワーマンションに住む岩見有紗は、ママ友たちとのしがらみの中で、娘と二人で暮らしていた。夫・俊平は海外出張から帰ってこず、一方的に離婚の申し出をされてしまう。

徐々にあらわになるママ友たちの裏の顔と有紗の過去の秘密―。華やかな生活の裏に潜む真実が明らかになったとき、有紗の出した答えとは?

この作品は江東区にある52階建てのタワーマンション・BT(ベイタワー)を舞台に、ママ友たちの知られざる世界が描かれています。

登場する5人のママ友たちの簡単なプロフィールは以下の通りです。

ママ友たちの簡単なプロフィールは以下の通りです。

岩見有紗…BETの住人。現在夫が海外出張に出ており、花菜と二人で暮らしている。

美雨ママ…BTの住人ではないが近所に住んでいる。顔とスタイルが良い。

いぶママ…BWTの住人。いぶきのママで理想の夫婦と周囲から羨望を集める。

めぐちゃんママ…BWTの住人。芽玖ちゃんのママ。

まこちゃんママ…BWTの住人。真恋ちゃんのママ。

このようにママたちは、○○ちゃんのママと呼ばれており、作中でも本名が出てくることはほとんどありません。娘・息子が自分の名刺代わりになるというわけですね。

ということで、ここからはハピネスを呼んでみた感想を書かせていただきます。

※ページ後半ではネタバレ要素があるので、未読の方はご注意ください。

ハピネスの感想

タワマンの格差社会が面白い

小説の舞台となるBT(ベイ・タワー)には、イースト棟とウェスト棟に分かれているのですが、東か西の住人かで結構な格差があるのが面白いです。

イースト棟は比較的値段が安く、主人公である有紗は賃貸で暮らしています。

一方、ウエスト棟は部屋からの展望も素晴らしく、お値段も高め。そのためイースト棟に住む有紗はウェスト棟の住人たちに引け目を感じているんです。

私たちも世田谷区や港区に住んでいる人を見ると、「わー、お金持ちなんだなー」と思うことはありますが、同じタワーマンションに住む人たちの中で格差があるのは面白いですよね。

将来はタワーマンションに住もうと考えている方は、参考に読んでおくといいかもしれませんよ。

作者のファッションへのこだわりが凄い!

ハピネスは元々女性誌の「VERY」に掲載されていたということで、登場人物の服装・装飾品へのこだわりはすごいです。

私はそこまでファッションに詳しくないので、ちらほら知らないブランド名も出てきますが、それでも読んでいれば自然と登場人物の服装を頭に描くことができました。

たとえば冒頭でママ友たちがはじめて集合するシーン、美雨ママはユニクロ、有紗ママはH&Mのパーカーを着ています。一方、美雨ママは白いTシャツにコーラルピンクのカーディガンを羽織って、いかにもお金持ちの主婦といった格好をしています。

こういった細かな描写から、読者に両者の格差を見せつけているんですね。

そのほかにも物語の随所に、ファッション用語が効果的に使われているので、女性の方は楽しめる小説だと思いますよ。

さて、ここからはネタバレ要素ありで、ハピネスの感想をかいていこうと思います。

まだ読んでないからネタバレはいやだという方は、商品紹介の画像から下は見ないようにしてくださいね。

ハピネスのネタバレ有感想

結局男は顔で選ぶんですかね?

物語の途中では、いぶままの夫が美雨ママと不倫していることが明かされます。

美雨ママが妙にいぶママを敵対視していたのは、女としてのプライドだったのでしょうか。

しかし有紗の視点からは、美雨ママはBTの住人でもないし、陰で水商売で働いていると噂されるぐらいの女性として映っています。

とてもいぶママに敵うような相手ではないという感じです。

しかし実際にいぶままの旦那さんは美雨ママと不倫をするんですね。

結局、ファッションや住んでいる場所で競うというのは、女性だけの世界の話。男の人にとってはどうでもいい話なんですよね(笑)

あえて美雨ママを下町の娘のように描いていたのも、桐野夏生さんらしい皮肉が効いていたと思います。

あなたも必要以上に自分を着飾っていませんか?

物語のラストでは、BTを離れたいぶママの元へみんなで遊びに行き、裕福とはいえない彼女の実家を見て、彼女も自分を飾っていた一人であることが露見します。

小さい子供を育てている専業主婦は、小さいコミニュティでしか承認欲求を満たすことができません。

そのため嘘をついてでも、自分を必要以上に着飾ろうとしてしまいます。

これはママ友たちの世界だけでなく、会社や学校など、どこかのコミュニティに属している人なら誰にでもある傾向ですよね。

私はハピネスを読んで、必要以上に着飾ろうとしている自分に気づき、少し怖かったです。

ということで、今回は桐野夏生さんの「ハピネス」を読んだレビューをご紹介しました。

女同士のドロドロした戦いが好きな方は、ぜひ読んでみてくださいね(笑)

当サイト「ノベナビ」では、桐野夏生さんのおすすめ作品をまとめた特集記事も紹介しているので、こちらも参考にしてみてくださいね!

桐野夏生おすすめランキングTOP7

それでは、素敵な読書ライフを!

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