きみはいい子

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きみはいい子

2013年本屋大賞4位にもなったこの作品。2015年に高良健吾さんと尾野真千子さんのダブル主演で映画化されたことでも話題になりました。

日常に転がっている暴力や恐怖。
いつ自分もそうなるかわからないかもしれない不安と、しかしその中に必ずある希望の光を感じられる、虐待やネグレクトなど現代社会の問題をテーマにした小説です。

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きみはいい子のあらすじ

17時まで帰ってくるなと言われ校庭で待つ児童と彼を見つめる新任教師の物語をはじめ、娘に手を上げてしまう母親とママ友など、同じ町、同じ雨の日の午後を描く五篇からなる連作短篇集。家族が抱える傷とそこに射すたしかな光を描き出す心を揺さぶる物語。

実際に2010年に起きた事件がきっかけで執筆されたという作品。短編小説が五編収録されていますが、どれもどこかで少しずつ繋がっているという、よくある構成の一冊です。
五編はどれも児童虐待についての話や、認知症になった母親を捨てようとする話など重たいテーマ。読み終えるまでに何度も泣いてしまいました。でもそれは悲しいからだけではありません。

きみはいい子のおすすめポイント

すぐ隣の家でも自分にも起きてるかもしれない恐怖

認知症の母親を捨てようとする娘、子供に対して執拗に手を上げてしまう母親。一見わからなくても実はあの家でも起きているんじゃ、いやむしろ自分がこうなってはいないだろうか?そう感じざるをえないような、身近にある暗闇が「きみはいい子」には描かれています。

気を許しているからこそ恋人に冷たく当たってしまったりすること、経験のある方も多いでしょう。最初はそこから始まって、それがいずれ暴力に発展してしまうのにきっと特別なきっかけなんてないんです。「この人は大丈夫」「私は絶対そんなことしない」そんな言葉に保証はどこにもありません。思わず体が硬くなってしまうような感覚になります。だからこそこの作品は、読者にリアルで迫ってくるんです。

虐待される人と虐待する人、救われる人と救う人

「きみはいい子」には虐待をされる子供、自分でわかってはいても虐待をし続けてしまう母親、それぞれの立場の短編小説が入っています。
虐待する側にも、ものすごい辛さがあるんだなと改めて思い知らされました。「このくらいみんなやってる」そう自分に言い聞かせる主人公の様子は、自身の経験で思い当たる部分がある人も多いでしょう。

そしてその虐待を見て何もできない人、少しでも支えになればとその子のために行動をする人、この二種類の人間も描かれています。
自分だったらどうするのかと思わず考えてしまいます。
そしてこの救う人の存在が本当に暖かくて優しくて、登場人物だけでなく読者にとっての救いにもなるんです。

きみはいい子の感想

この作品はとにかくリアルです。登場人物の心情の一つ一つがすごく丁寧に描かれていて、感情移入せざるをえません。
こういった児童虐待ものの小説を読むことに抵抗がある人もいますが、そんな人ほどぜひ読んでみてほしい作品ですね。いろんな立場に立つことができます。
果たして自分はどの立場になるのか、非常に考えさせられます。

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