「また、同じ夢を見ていた」のあらすじと感想(※ネタバレ注意!)

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また、同じ夢を見ていた

皆さんは学校や会社で自分の言いたいことを言えますか?イエスと答える人は少数なのではないでしょうか?私たちは日頃から本音と建前をわきまえ、窮屈に生活を余儀なくされています。

昨今、うつ病の人口が増加しているのも、言いたいことを言えず、我慢をし続けているのが一因ではないでしょうか?

そんな日頃のうっぷんが溜まっている方に、これでもかと言いたいことをズバズバ言ってしまう、本作の主人公「なっちゃん」から生きる処世術を覗いてみませんか?

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「また、同じ夢を見ていた」物語のあらすじ

きっと誰にでも「やり直したい」ことがある。学校に友達がいない“私”が出会ったのは手首に傷がある“南さん”とても格好いい“アバズレさん”一人暮らしの“おばあちゃん”そして、尻尾の短い“彼女”だった―

周りの子ども達とは雰囲気の異なる主人公、なっちゃんはその他大勢の人とは違い、周囲に流されない、確固たる自分を大事にしている。

たとえ大人な先生であっても物怖じせず、自分の考えをはっきりと主張するため、担任の先生からは一目置かれていましたが、クラスメイトとは関係がうまくいっていません。ですが彼女は全く気にすることなく堂々としています。中にはなっちゃんをからかう言う男子もいますが、怯むことなく真っ向から論理的な会話で圧倒します。しかしそれ故にひんしゅくを買うことになります。

その他のクラスの生徒とも目を合わせることもなく、どんどん距離ができてしまう。しかしそれすらも全く気にすることなく、それでもマイペースで日々を過ごしていました。

なっちゃんの抱える背景とは?

ただその背景には、両親が共働きでしかも週末ですら仕事で家にいないことも多いため、家でも一人でいることを余儀なくされていました。そんな彼女は自宅にいることが寂しいからか、放課後はランドセルを家に置いていくと、とある親友と外に活路を見いだしていきます。

まずは彼女の一番の親友である元捨て猫の存在。もちろん喋ることはありませんが、主人公の一番のパートナーで、後に登場する大人達の元へは、親友も同伴します。

無理に人間関係を築くことはない彼女も、決して一人を好んでいる訳ではなく、たまたま気の合う友達が学校にいなかったのです。

親友・南さん・アバズレさんとの交流

そして彼女は元捨て猫の親友だけでなく、高校生の南さん。捨て猫の介抱をしてくれた社会人のアバズレさん。余生を優雅に過ごすおばあさんと、見ず知らずの大人達と自ら話しかけて、交友関係を広げていっています。

さらに親友の捨て猫や隣の席のクラスメイトの桐生くん、自殺未遂をしていた南さんに手を差し伸べるなど困った人を放っておけない、とても優しい人柄も持ち合わせています。

そんな子どもとは思えないようななっちゃんですが、授業で出されたあるテーマについてや、家族との関係に思い悩む子どもな一面もあります。

また彼女の言いたいことをはっきり言ってしまう性格が、引っ込み思案の桐生くんには逆効果で市大に学校での居場所がなくなっていきます。

一見、完璧な人間のなっちゃんには、他人の思いを汲み取る認識が欠けていたことをアバズレさんに指摘されます。

葛藤する彼女が事あるごとに周囲とトラブルを起こし、日々の出来事に対して、三人の大人達と話し合いを通じて、成長していく心温まるお話です。

また、同じ夢を見ていた

「また、同じ夢を見ていた」の感想

まるで自己啓発本のような小説だと思いました。私は特に桐生くんのような何も言い返せない人間だったので、色々といじめを受けました。この本と出会っていじめていた相手以上に、自分自身をいじめていたのだと今更ながら気がつきました。

ただ自覚してもすぐに変われる訳ではないので、変われない自分こそ大事にできるかどうかが大切だと思います。

現実問題、物語に登場したなっちゃんのように、言いたいことをはっきり言えれば良いのでしょうが、桐生くんのように自分を出せない人も当然います。

こればかりは性格なので仕方のないことですが、この両者が集団に属する中でどちらが生きづらい思いをしてしまうかは明白です。

可能な限りなっちゃんのようなタイプの方が、周りに敵を作ってしまっても自分を大事にできるので問題はありません。

自分らしく生きるための指標となる一冊

問題は桐生くんタイプの人です。もちろん無理に主人公のように強気に振る舞う必要もなく、うわべだけの付き合いもありなのかもしれません。しかし彼の場合はからかわれても何も抵抗しないため、いじめのターゲットにされてしまいます。

そして彼は不登校となってしまいます。幸い彼は親から学校に行かないことを責められたりはしていませんでしたが、そうではない家庭もあるはずです。

最悪なのは後者の子ども達です。学校にも家にも居場所がなく家出してしまったり、非行に走ってしまったり、とにかく両親が味方でない家庭の子どもさんは本当に大変です。

オススメしたい読者層は学生さんですが、特に小さい子どもをもつ、親御さんにも是非一読していただきたい一冊になっています。先にも挙げたように、本のジャンルとしては小説ですが、生きづらい社会を生き抜く自己啓発のような内容となっています。

単純に物語を読み進めていっても面白いですが、自分らしく生きていくための指標としても、非常に参考になる本です。

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