「リカ」のあらすじ感想【夜眠れなくなる超ホラー小説】

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第二回ホラーサスペンス大賞を受賞した、五十嵐貴久さんの「リカ」。受賞したのは2001年ですが、今もホラー好きの中ではかなり有名な作品として人気です。

続編の「リターン」「リバース」だけ読んだという人も稀にいるのですが、五十嵐さんの小説で一番怖いのは間違いなく「リカ」!夜眠れなくなるような怖い話が好きな人におすすめです。

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「リカ」のあらすじ

妻子を愛する42歳の平凡な会社員、本間は、出来心で始めた「出会い系」で「リカ」と名乗る女性と知り合う。しかし彼女は、恐るべき“怪物”だった。長い黒髪を振り乱し、常軌を逸した手段でストーキングをするリカ。その狂気に追いつめられた本間は、意を決し怪物と対決する。単行本未発表の衝撃のエピローグがついた完全版。第2回ホラーサスペンス大賞受賞。

出会い系で出会ったリカという女性が恐怖のストーカーと化し、主人公の本間をどん底まで追い詰める話です。

このあらすじにも「怪物と対決」とありますが、物語後半のリカはまさに怪物。現実ではありえないような残虐な行為をどんどんかましてきます。

リカはあくまでも実在の女性として描かれているのですが、途中、人間なのか幽霊なのか、はたまたモンスターなのか…?リカの正体がどんどんわからなくなります。とにかくぶっ飛んでるストーカーなんです。
イメージとしては「リング」の貞子みたいなものを私は想像しました。

グロテスクな描写も多いので、血が苦手な人にはおすすめできません。

最後まで結末が読めず、ドキドキの展開が続くので詳細なあらすじは省略させていただきます。

ホラー小説ならではのテンポのよさ

「リカ」の恐怖を引き立てるのが、そのテンポです。展開が早いので、恐ろしいストーカー「リカ」に、まるで自分も追いかけられているような感覚になります。

リカはとにかく不気味で人間とは思えないほど気持ち悪い(決して言い過ぎではない)のですが、そこをすんなり受け止めさせちゃうのも五十嵐さんのテンポの良さからだと思います。
恐らく、この話をだらだら読み進めてたら「リカは人間なの?人間じゃないよね?ということはこの本はファンタジーなの?ファンタジーはちょっと…」というように無駄な思考が生まれてしまいます。

「出会い系で出会った女性が恐ろしいストーカーになる」という現実味

リカ自体は到底この世にはいないだろう(というか絶対いないでほしい)キャラクターではありますが、主人公の本間とリカの出会いは「出会い系」。実に身近にあるものです。

特に昨今はインターネットで出会った見ず知らずの他人と顔を合わせたことがある人はどんどん増えています。そうして出会った人に殺されかけたり、実際に殺されてしまう事件も跡を絶ちません。
なので、リカがどんなに異常でも読者からすると全体的には結構リアルに感じられます。だからこんな怖いんですね。

そして本間には妻子がありました。男性からすると出会い系で出会った女性のおかげで家族が崩壊してしまうのも非常に身近で大きな恐怖かもしれません。

出会い系で出会ったからこそ、リカのことをなかなか周囲に相談できずどんどん身を滅ぼしていく本間は、なかなかリアルです。今出会い系で不倫をしている人は思わず相手の女性と縁を切りたくなるかも…。

「リカ」の眠れなくなるシーンを抜粋

怖いシーンを少し抜粋して紹介します。ネタバレ含みますのでお気をつけください。

とにかく外見が怖い

リカは作中で「濁ったコーヒーのような顔色、目には白眼の部分がなく、腐った卵のような体臭」など相当恐ろしい容姿であることが描かれています。
やっぱり貞子を思い出してしまいますね。走って逃げたくなる気持ちがわかります。

こんな女性に突然誘拐された本間の娘を思うとつらいです…。

帰ったらドアノブに髪の毛が…

本間の家のドアノブに、女性の髪の毛が。しかも数本ではなく、数十本単位でまとめられた髪の毛がテープでいくつも貼り付けられていたんです。
女性の髪の毛には霊が宿るとも言われていますし、かなり怖いですよね…完全にサスペンスというよりホラーです。

ついにリカの手に落ちる本間

物語の最後、リカを倒したと思いきや逆に誘拐され椅子に縛り付けられる本間。目が覚めると、リカとお揃いのパジャマを着せられ、機械により目を大きく見開かされてていました。お揃いのパジャマ、真新しい部屋…というわけでこの部屋はリカと本間を夫婦と見立てた新居なのです。

喉がかわいたから何か飲ませてくれ、と本間が頼むと火傷するくらい熱いコーヒーを注がれ、とんでもない臭いがするリカの口が近づいてきて、よだれを垂れ流しながらキスをされます。このあとがとんでもなく怖い。

リカは本間の眼球めがけて、注射針を刺すのです。なかなかグロテスクなシーンなので小学生以下の方には読んでほしくないですね…。

ホラーが好きな方やとにかく早く読み切りたい方におすすめ

物語の最初は本間が出会い系を始めるところから始まるので、(女性の方には特に)少し退屈に感じるかもしれませんが、少し読み進めればそこから先はあっという間に話が展開していきます。

とにかく怖い小説が読みたい方、テンポよく読み進められる小説が読みたい方には「リカ」はすごくおすすめできる小説です。

続編・リカの幼少期を描いた作品も

「リカ」ほど人気が出なかったため知らない人もまだまだ多いのですが、「リカ」には続編があります。

その後を描いた「リターン」

高尾で発見された手足と顔がない死体は、十年前ストーカー・リカに拉致された本間だった。警察官を殺し、雲隠れしていたリカを追い続けてきたコールドケース捜査班の尚美は、同僚の孝子と捜査に加わる。捜査が難航する中、孝子の恋人、捜査一課の奥山の連絡が途絶えた。彼の自宅に向かった二人が発見したのは……。『リカ』を超える衝撃の結末。

こちらは既に本間がしんでいるので、警察と狂気的殺人犯リカの戦いを描いている作品。そのためリカのストーカーならではの恐ろしさが減り、ちょっと普通の殺人鬼に成り下がっています。

しかし、最後の結末を描くハラハラ・ドキドキは顕在。リカの行く末をぜひ見届けてほしいです。

幼少期を描いた「リバース」

医師の父、美しい母、高貴なまでの美貌を振りまく双子・梨花と結花。非の打ち所のない雨宮家で家政婦として働く幸子は、彼らを取り巻く人間に降りかかる呪われた運命に疑念を抱く。そして、ある「真相」にたどり着いた幸子は、留守番電話に悲痛なメッセージを残すが……。最恐のストーカー・リカ誕生までの、血塗られたグロテスクな物語。

この作品は評価がかなり分かれています。あまり怖くなくてつまらなかったという意見もあれば、リカがどうしてモンスターになったかがわかって読み応えが合った、という感想も。

なお、あくまで「リカ」と「リターン」を読んでないと面白みがないので注意です。

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