ナラタージュのあらすじ感想・映画情報【後半ネタバレ注意】

シェアする

ナラタージュ

松本潤さん・有村架純さん主演で2017年10月に映画化、島本理生さんの恋愛小説「ナラタージュ」。

キャッチコピーは「一生に一度の、忘れられない恋」

まさにこの言葉がぴったりの切ない物語に胸がギュッと締め付けられました。

2006年「この恋愛小説がすごい」で1位も獲得した「ナラタージュ」のあらすじ、感想、後半はネタバレを紹介します!映画情報も併せてどうぞ。

ナラタージュ

スポンサーリンク
336

ナラタージュのあらすじ

ナラタージュは、大学二年生の主人公とその高校時代の同級生・後輩・先生たちが登場する、ちょっと大人の青春ラブストーリーです。

まずは登場人物から紹介します。

主要な登場人物

  • 工藤泉:大学二年生。高校時代に演劇部顧問に孤独を救ってもらった。
  • 葉山先生:泉の高校時代の演劇部顧問。既婚者だが妻とは別居中。
  • 山田志緒:泉の高校時代の同級生で親友。
  • 黒川博文:志緖の高校時代からの恋人であり演劇部の元部長。
  • 塚本柚子・新堂慶・金田伊織:泉の演劇部の後輩たち。
  • 小野玲二:黒川の大学の友人。演劇が上手く、泉の高校の舞台に一緒に参加する。

あらすじ

主人公の工藤泉は大学二年生。ある日、高校時代に想いを寄せていた演劇部の顧問、葉山先生から電話がかかってくる。

聞くと、所属していた演劇部の部員が少ないため、今年の最後の舞台に一緒に出演してほしいとのことだった。親友である志緖とその恋人の黒川も参加するということで、泉は快く引き受ける。

しかし実はそれ以上に、泉には葉山先生の依頼を引き受ける理由があった。泉は高校時代に自分を救ってくれた葉山先生に思いを寄せており、卒業式の日、2人はキスをしていたのだ。

そして舞台の練習が始まった。メンバーは現役の柚子さん・新堂くん・伊織。卒業生の泉・志緖・黒川。さらに黒川の友人、小野くん。さらに顧問の葉山先生が監督として参加。

メンバーは徐々に仲を深めていくが、泉の心は葉山先生のことばかり…。同時に葉山先生も、元教え子でありながら特別に想う泉を、度々呼びつける。そんななかで泉は小野くんが自分に想いを寄せていることを志緖から聞かされた。そしてメンバーの関係は、次第に変わっていくのでした。

ナラタージュ映画情報

あらすじだけで少女漫画のようなラブストーリーにきゅんきゅんしてしまいます。

実写映画では、主人公の工藤泉を有村架純さん、葉山先生を嵐の松本潤さんが熱演。監督は「世界の中心で、愛をさけぶ」の行定勲監督です。

有村架純さんは「ストロボ・エッジ」「何者」など昨今さまざまな映画でヒロインとして登場。松本潤さんの恋愛映画といえば「僕は妹に恋をする」が印象深いですね!今回はなんと2人のベッドシーンもあるということで、そこにも注目です。

教師と元教え子のベッドシーン…というとなんだか気まずい思いをしてしまうかもしれませんが、ナラタージュのすごいところは「ただの胸キュンストーリー」じゃないところ。特に原作ではそれを一層感じられるのではないでしょうか。

感想とおすすめポイント

「純愛小説」とは括れない!一筋縄ではいかない物語

私自身あまり恋愛小説を読まないので、実は最初は「くだらないラブストーリーだったら嫌だな」という気持ちで読み始めました。

すると、たしかに胸キュンポイントはたくさんある作品なのですが、単なる大学生の恋愛小説(しかも元教師との禁断の恋愛物語)ではなくて、驚かされる部分がいくつもありました

ぜひ最後まで読んでみて、その驚きを感じてほしいと思います。本を結構深読みしてしまう人なら、より楽しめるのではないでしょうか。逆に、単なる胸キュン恋愛小説として読むこともできるので、普段恋愛ものばかり読んでいる人にも、そうでない人にもおすすめできる作品です。

(ちなみに私は普段人が死ぬような話ばかり読んでいます…)

葉山先生がとにかくかっこいい!

少女漫画のようなストーリーなのですが「ナラタージュ」がそれらの少女漫画や、ありきたりな恋愛小説と一線を画しているのはその人物描写のすごさ。

こんなに男性を素敵に描ける人がいるのか!というくらいに葉山先生の魅力が溢れています。仕草や持ち物、部屋の様子、すべてが完璧に「読者が理想とする葉山先生」を惹き立てていくんです。

読んでいるうちに、どんどん読者が理想とする葉山先生ができあがっていくので、読み終えたときには先生に対していろいろな感情がこみ上げてくるでしょう。

文体が泉の視点で書かれているのも、その一つの要因だといえます。大学生から20~30代の女性まで楽しめる作品です。

しかし、本を読んでから映画を見る予定の方は、あんまり人物像を描きすぎてもキャストとのギャップで楽しめなくなってしまうかもしれません…。これが実写映画の難しいところですね。

「ナラタージュ」の意味

ネタバレにうつるまえに、この「ナラタージュ」の意味について解説しておきます。

ナラタージュとは、映画や小説などで用いられる手法。ある人物の語りや回想によって過去を再現していくことを指します。

この小説は大学生の泉が高校時代の葉山先生との日々を回想し、最終的にはさらに成長し就職した泉が大学時代のことを回想していくかたちで物語が進みます。

このタイトルをただの手法を意味しているものだと捉えるのも間違ってないと思います。しかし私はもっと別の意味が込められてるんじゃないかと思ってしまいました。

そのあたりを、これからネタバレを含めてレビューしていきます。正直ネタバレを見ても映画は楽しめると思うので、読むか読まないかはご自身で判断してください。

ナラタージュ

ナラタージュのネタバレ

高校時代想いを寄せていた葉山先生と再会し、再び距離を縮めていく泉。2人の関係はどうなっていくのか。ここからはネタバラシです。

個人的にはなんとなくもやもやしてしまう結末でした…。

泉と葉山先生の高校時代

泉は高校生時代、周りと上手く打ち解けずに孤独な日々を送っていました。そんな泉を気にかけてくれて、救ってくれたのが葉山先生。

そのおかげで泉は葉山先生が顧問の演劇部に入り、志緖という親友ができ、幸せな高校生活を送ることができたんです。

そして葉山先生と泉の関係は、単なる教師と生徒という言葉だけでは片付かないものになっていきました。もともとは泉の一目惚れでしたが、葉山先生は好きな映画を泉に度々貸すようになり、泉はそれに感想の手紙をつけて返す。そんなふうにして2人の距離は縮まっていきます。

しかし葉山先生は「泉が生徒だから」という理由以外にも恋愛ができない事情がありました。

ですが2人の関係はどんどん深くなり、卒業式の日に泉は告白をしようと決意します。結局その言葉を伝えることはなかったのですが、葉山先生は泉にキスをしたのでした。

ものすっごい少女漫画にありそうなストーリーです(笑)

葉山先生のわけあり事情

先生は以前、妻と自分の母親と3人で暮らしていました。それが結果的に妻を追い込み、妻は姑がいる家に火をつけたのです。そして妻は実家に帰りました。

泉も高校時代にこの話を聞かされます。しかしそれでも泉は葉山先生を支えてあげようと思いました。妻とは別居した=別れたんだと思っていたからです。

しかし物語の後半、大学生担って再会したあとに、実は葉山先生はまだ妻と籍を分けていないことを知らされるのですが…

大学生になり再会してからの2人

大学生になり、再び関係を深めていく2人。泉が卒業したこともあり、2人は上手くいくかのように思えました。志緖も泉を応援します。

しかし泉野想いは届かず、葉山先生はさんざん優しくするくせに「僕はきみを幸せにできないから」と恋人同士の関係になることは避けるのです。これが非常にイライラします(笑)

そして泉も、自分とこの人は幸せにはなれないと思い、告白してくれた小野くんと付き合い始めます。しかしこの小野くんがまた恐ろしいんです。

泉と小野くん

小野くんははたから見ればすごくよくできた大学生です。演劇も上手で、よく声が通り、服装もおしゃれ。まったくすきを見せません。

しかしそれは不安の裏返しでした。泉は小野くんとはじめは幸せな日々を送るのですが、ある日葉山先生からの着信に気づかれてしまったことをきっかけに、小野くんの態度は一変します。

暴力的なセックス、携帯を見せてと頼まれたり、手帳を盗み見られたり…。すごく怖いのですが、ある意味非常にリアルです。大学生同士の恋愛って、ときどきこうした非常に危険な状態がありますよね。女の子自身がDVされていることに気づいていない、というか。

結局、泉は再び葉山先生と距離を縮め、小野くんに「葉山先生のもとへ戻る」と告げました。ひどいですね。

小野くんは最後に「泉は一度でもあの先生より俺のこと好きだったときがあった?」と聞くのですが、これが切ない…。泉は何も返事はせず小野くんは「その表情でわかったよ」というのですが、泉は小野くんのこともすごく好きだったんです。ずるいですが、そういうこともありますよね。

葉山先生は結局妻のもとへ!

さあここで泉と葉山先生がついに結ばれる…!と思いきや、そううまくはいきません。

葉山先生は泉に「君のことを愛せたからこそ、今また妻を大事にできる気がするんだ」といって、妻とまた一緒に暮らすことを告げます。ひどい!ひどいです。

「でもきみには本当に感謝している。何かお返しがしたい。ほしいものとか、一緒に行きたいところはないか」そう葉山先生は尋ねます。泉の答えは「もう一度先生の家に泊まって、きちんとお別れしたい」。つまり、最後に身体で結ばれたい、ということでした。

ここで映画予告で話題の、松本潤さんと有村架純さんの濡れ場に入るわけです。何とも言えない気持ちになります。元教師との別れのとき、最後だからとこんなことを頼むなんて…。

純愛といえば純愛なのかもしれませんが、どうなんでしょうね。

社会人になった泉の回想

物語の結末は、2人がお別れした後、さらにときは流れて泉が社会人として取引先と食事をするシーン。そこで泉は葉山先生の古い友人に会い、葉山先生が自分のことをその友人に恋人のように話していたことを知ります。

しかも葉山先生は、泉が大切に持ち歩いていた唯一のツーショット写真と同じものを、定期入れに入れていたというのです。

そして思わず泉は涙し、物語が終わります。泉にとっては葉山先生が「一生に一度の、忘れられない恋」だったというわけです。

ナラタージュの感想と疑問

物語を読み終えたときは正直モヤモヤが強かったです。

物語はまさに「ナラタージュ」。ずっと泉の視点で進みます。

だからこそ読んでいる途中は気づかないんですが、もしかして葉山先生って泉のこと愛していなかったんじゃないか、と私は思うのです。ただ都合よく元生徒と遊んでいただけなんじゃないかと。これはあくまで泉の回顧録であって、そこにあることすべてが本当だとは限らないんですよね。

その辺を考えだすと、ただの胸キュン恋愛小説では収まらなくなってきます。

あくまでも忘れられない「恋」の物語

さらに、よく考えたら泉が葉山先生のことを愛していたのかさえ疑問です。

泉は上司に先生との過去を話した際「若かったから愛だってことに気づいてなかったんじゃないかな」と言われてジーンときてしまいますが、それが愛なのと、愛だと勝手に思ってたのとはまったく別ですよね。

なのでこれはあくまで恋のお話でしかなくて、そういう意味で純愛小説とはいえないと思います。

泉から見た世界しか読者の私たちにはわかりませんが、「ナラタージュ」の中の人たちは一体何を考え、どう生きていたのでしょうか。それを考えるとよりこの作品を楽しめると思いました!

しかしもちろん、ただのキュンキュンストーリーだと思って読んでも十分楽しめる作品です!

スポンサーリンク
336
336

シェアする

フォローする