世界の中心で、愛をさけぶ/片山恭一【あらすじ・感想・ネタバレ】

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セカチュウ
「セカチュー」と呼ばれドラマ化・映画化された超々有名作。

でも、映画だけ見た、ドラマだけ見た人が多くて原作である小説をしっかり読んだ人は意外と少ないのではないでしょうか。

私はドラマがやっている時期に並行して原作を読み始め、先に原作を読み終えました。映画はそのあとしばらく経ってから見ましたが、どれもそれぞれの魅力があって本当に素敵な作品です。

今回は原作である片山恭一さんの『世界の中心で、愛をさけぶ』について、あらすじや感想を紹介します。読書慣れしている人なら2時間くらいあれば読んでしまえるページ数ですが、ゆっくりじっくり読んでほしい小説です。

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世界の中心で、愛をさけぶのあらすじ

同じ高校に通っていた中学からの同級生、サクとアキ。2人は両思いになりますが、アキはオーストラリアへの修学旅行を前に病気になってしまう。アキは病気が悪化して、最後には命を引き取ります。

物語が始まるのはこのアキの死から。

出会ってからアキが天国にいくまでの2人の物語を、ゆっくり思い返していくラブストーリーです。

売りだれていたときは「泣ける!!」という評判ばかりが世間に行き渡って、「ちっとも泣けなかった」という内容の批判が多かったようですが、たしかに『病気で亡くなるヒロイン』に対して泣ける部分はあまりないかもしれません。

誰かが亡くなる苦しみを知るよりも、本当の愛を知ることができる作品だと私は思っています。

あと、物語の大半部分がサクとアキの回想された学生時代なので、青春色が強すぎると感じる人もいるのかもしれませんね。

世界の中心で、愛をさけぶのおすすめポイント

甘酸っぱい青春ストーリー

サクとアキは中学からの同級生ですが、仲を深めたのは高校に入ってから。2人ともそれまでの恋愛経験はほとんどなし。特にサクは、思春期の男子が必ず経験するだろうさまざまな感情をアキを通して初めて感じます。アキも同じです。

そんな2人の距離がどんどん縮まっていく様子は、もうほとんど少女漫画です。2人で学級委員になり、文化祭で恋人同士の役になり…。

しかも読み手としては、はじめからアキが亡くなることを知ってて読んでいるので、2人のつかの間の幸せがすごくすごく切ないんです…!

実は3つの恋愛が読める

『世界の中心で、愛をさけぶ』に描かれているのは、サクとアキのラブストーリーだけではありません。

もう一つ大切な軸になっているのが、サクの名付け親である祖父の恋愛模様。高校生の恋愛も大人の恋愛も、一度で両方楽しめちゃうんです!(そんな軽いものではないですが笑)

この祖父の恋物語にサクは大きく影響され、巻き込まれるのですが、このおじいちゃんがすごくかっこいいんです。この祖父がいなければ、サクはアキの死を乗り越えることができなかったでしょう。

世界の中心で、愛をさけぶの感想

ドラマも映画も面白いですが、やっぱり原作には原作だけの良さがあります。

『世界の中心で、愛をさけぶ』はページ数も少なく行間も多いです。だからこそ読み手が想像できる部分が多く、また一つ一つの台詞を十分に読み込んで噛み締められます。

アキは高校生という非常に若い年齢で病気になりますが、中学生の頃からすごく大人びていて、自分の死を受け入れて愛する「サクちゃん」(アキはそう呼びます)にいろんな言葉を残していきます。

どうしようもなく好きな人ができたとき、そしてその人がなくなってしまうとき、自分はどうなるのだろう。

また、もしもアキの立場で、大好きな大切な人を残して自分が天国に行くことになったら、自分は相手とどう向き合うだろうか。

そんなふうに、生きること、愛すること、そして愛されることについて深く考えさせられる作品です。

ではここからはネタバレを交えて感想を紹介します。

世界の中心で、愛をさけぶのネタバレ

アキが患うのは白血病。この小説が売り出された時期って、飯島夏樹さんの「天国で君に逢えたら」とか難病系の話が大きく話題になりましたよね。

主人公が死ぬ大きな病気といえばガン、白血病、みたいな流れができたのはセカチューがきっかけだと思ってます。(逆に最近は24時間テレビとかでないと闘病系のドラマや小説に触れることが少ないですね)

正直セカチューは本当に本当にちゃんと読んでほしいので、あまりネタバレをする気はありません(笑)ただ、一つすごく心に残っている描写があります。

アキのいない世界に初めて出逢うサク

サクはアキが死んでしまうことを実感して、はじめて気づくことがあります。

アキとサクは同級生ですが、アキのほうが誕生日が早く、これまでサクは「アキがいる世界」で生きてきたわけで、そのアキが死んでしまったら、もう目の前の世界はまるっきり違くなってしまうんです。

「ぼくにとってアキのいない世界はまったくの未知で、そんなものが存在するのかどうかさえわからないんだ」

この台詞で私は衝撃を受けました。本当にその通りだ、と。どうすればいいんだと。でもそんなサクの不安げな言葉にアキは優しく応えます。

「大丈夫よ。わたしがいなくなっても世界はありつづけるわ」

アキがだって死ぬのが怖くてつらいはずなのに、アキはサクのことを本当に大事に思っていて、これからも生きていかなければならないサクを励ますんです。

私は将来年を取ったとき、自分の愛する人より絶対に先に死なない、と心に決めています。サクは若くしてアキを失って、その後愛する人と幸せな家庭を築きますが、これは年を取ってからじゃなかなかできないことです。

だから私は絶対に、愛する人が生きている間寂しい想いをさせないよう、ずっとずっと幸せなまま息を引き取ることができるよう、絶対に先に死んだりしません。

とまあ私事ばかりになってしまいましたが、セカチューを読んでいるとこんなふうに愛することや生きることについて、自然に考えさせられます。

ドラマと映画の感想

映画版は森山未來さんと長澤まさみさん、ドラマ版は山田孝之さんと綾瀬はるかさん。どちらも非常に豪華なキャストで、セカチューは実写化されました。

どちらもいいのですが、私が好きなのはドラマ版です!キャストがすごくハマっています。若い山田孝之が最高です。

私は「ベストセラーの映画化!(ドラマ化!)」みたいなものって、結局原作のほうが好きだと思うことが多いのですが、セカチューに関してはそうでもありません。ドラマも十二分に素晴らしい。一緒に読み進めてもいいと思います。

「恋愛小説」はいろいろありますが、この薄さでこれだけ愛を語れるのは「世界の中心で、愛をさけぶ」だと思っています。

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