私の男

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私の男

2014年に浅野忠信さん、二階堂ふみさん主演で映画化された今作品。

直木賞も受賞した、桜庭一樹さんの小説です。私は小説を読んでから映画を見ましたが、両方違った味わいのある面白い作品でした。最後には救いようのない気持ちに襲われる、人と愛情との向き合い方について考えさせられる物語でした。

好き嫌いが分かれる作品みたいですが、私は是非ともお薦めしたい!というわけであらすじから紹介します。

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私の男のあらすじ

落ちぶれた貴族のように、惨めでどこか優雅な男・淳悟は、腐野花の養父。孤児となった10歳の花を、若い淳悟が引き取り、親子となった。そして、物語は、アルバムを逆から捲るように、花の結婚から2人の過去へと遡る。内なる空虚を抱え、愛に飢えた親子が超えた禁忌を圧倒的な筆力で描く。 浅野忠信、二階堂ふみ主演で映画化。

まあ要するに近親相姦の話です。惨めでどこか優雅…そう書くと多少聞こえはいいですが、淳悟というこの父親、女の私からするとクズ要素たっぷり。

でもそんな淳悟に普通の親子とは違う形で愛情を注ぐ花の気持ちにも、どこか共感してしまいます。救いようのない2人の肩を持つか、それとも罪を犯した2人を突き放すのか、それは読者次第です。

私の男のおすすめポイント

時間を遡って謎を解くミステリー小説としての一面

「私の男」は通常とは逆の時間軸で進んでいきます。最初の章は、花の結婚式直前のシーン。遡って最後の章は、花がまだ幼い頃、淳悟と出会った時のシーンです。この構成が、「私の男」では実に有効に使われています。※映画では通常の時間軸で進みます。

淳悟と花、2人の関係がどんどん読み解かれていって、だんだんと登場人物たちに対する印象が変わっていき、思わず背筋がゾクゾクしてしまいます。

女性が抱く「私の男」の恋愛小説としての一面

近親相姦という特殊なパターンではありますが、「私の男」は恋愛小説です。だから女性の私は思わず、淳悟の娘である花と、淳悟の恋人である小町という2人の女性に感情移入してしまいます。

なんせ淳悟は娘に手を出しちゃうだけあって、ちょっとクズなんですよね(笑)。なんだかんだ、ダメな男の人に弱い女性って多いです。

淳悟の欲しいもの、それをなんとかして満たしてあげたい。物語を読み進めていくうちに、そんな風に淳悟を愛しくなってしまう女性も少なくないのではないでしょうか。花を敵視する報われない淳悟の恋人、小町の気持ちにもすごく共感してしまいます。

私の男の感想

わたしはこの本を読み終えた時、愛ってきっと互いの関係性なんて何も関係ないんだなと思いました。でも近親相姦なんて絶対許されない、と言う人もいるでしょう。2人の関係は愛なんかじゃなく、ただの傷の舐め合いだと言う人もいるかもしれません。

でもわたしにはそうは思えませんでした。2人の関係が、他のどんな倫理や常識にも邪魔されない純粋なものだと感じてしまいました。ただ、とっても苦しいものでしたが…。

近親相姦まではいかずとも、許されない、理解されない恋愛をしている人にもおすすめです!

私のの映画情報

公開日 2014年6月14日
上映時間 129分
配給会社 日活
監督 熊切 和嘉
原作 桜庭一樹「私の男」
キャスト 二階堂ふみ
浅野忠信
高良健吾
河井青葉
藤竜也

映画は原作と違って、通常通りの時間軸で進んでいきます。道を逸れていく2人がどんどん堕ちていくのを呆然と眺めているような気分になりました。娘の花を演じる二階堂ふみさんは中学生から成人するまでを演じていますが、成長していくとともに目がどんどん変わっていったのが印象的です。幼いのにどこか妖艶な眼差しも記憶に残りました。

また注目すべきは2人が交わるシーン。この物語のテーマでもある「血」が斬新に使われています。そしてとにかく二階堂ふみちゃんがかわいい!エンディングは原作とは全く異なっていて、原作と映画で違った楽しみ方ができる作品です。

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