湖底のまつりのあらすじと感想(※ネタバレあり注意)

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往年のミステリー作家・泡坂妻夫さんの傑作「湖底のまつり」が、2017年に完全復刊ということで、あらすじと個人的な感想を今回はご紹介しようと思います。

主な登場人物わずか8人ながら、綿密に練られた謎と構成によって導き出される驚きのラストに、初めて読んだ方はきっと驚愕の声をあげてしまうこと間違いなし。

初版は1994年と若干古いですが、今読んでも全く色褪せてない名作なので、ぜひ皆さん読んで見てくださいね。

それではまず「湖底のまつり」のあらすじを紹介していきます。

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湖底のまつりのあらすじ

傷ついた心を癒す旅に出た香島紀子は、山間の村で急に増水した川に流されてしまう。ロープを投げ、救いあげてくれた埴田晃二という青年とその夜結ばれるが、翌朝晃二の姿は消えていた。村祭で賑わう神社で、紀子は晃二がひと月前に殺されたと知らされる。では昨日、晃二と名乗っていた人物はだれか。読む者に強烈な眩暈感を与えずにはおかない泡坂妻夫の華麗な騙し絵の世界。

物語は一つの恋を終え、田舎へ旅行へ訪れた紀子が、晃二という男性と出会うところから始まります。

命を救ってくれた晃二とすぐ恋に落ちた紀子は、翌日姿を消した晃二を探しに、地元の祭りへ探しに訪れます。

しかし彼の姿は見つからず、地元の人間からすでに晃二は1ヶ月前に死んでいると教えられるのです。

そこで紀子視点でのストーリーは一旦終了、続いて晃二視点の物語へと続いていきます。

物語はここから二転三転、読者が思わぬ方向へどんどん転がっていきます。

「え!?こんなストーリーになるなんて…」と誰もが驚く展開が待っているので、まだ未読の方はぜひ予備知識なしで読んでくださいね。

ということで、ここからはネタバレ要素ありであらすじを紹介していきます。

まだ未読の方で、ネタバレなしで読みたいという方は、広告バナー以下は読まないようにしてくださいね。

緋紗江と恋に落ちる晃二

両親が住んでいた田舎の土地を相続した晃二は、村で進んでいたダム建設工事でうまく立ち回り、少なくない金額を手にすることに成功します。

こうして念願のスポーツカー・セラピムを手に入れた晃二は、偶然川で溺れそうになっていた緋紗江を助けたことから、特別な関係をもつことに。紀子と出会ったときと全く同じ展開なので、読者の頭の中は?マークだらけになってしまいますね。

そして晃二と緋紗江は出会ったばかりながら、運命に任せてすぐに結婚まで済ませてしまいます。

しかし地元に帰ってきてから順風満帆に進んでいた晃二の人生は、道端で一人の少女を車で拾ったことから思わぬ結末を迎えるのでした。

「また逢いましょう N」と書かれた謎の置き手紙を残して姿を消す少女。そして晃二は家に置いてあった麦茶を飲んだあと、命を落としてしまいます。

果たして晃二の前に姿を現した少女は何者だったのか、なぜ晃二は殺されてしまったのか。

謎の答えは次の章へと続きます。

Pに恋をする粧子

晃二が死んだ日、村ではもう一人の少女が姿を消していたことが明らかにあります。

彼女の名前は「萩粧子」、晃二が死んだ日に村の宿を訪れ、その後姿を消していたことが明らかになります。

粧子の自宅へ訪れた刑事・館崎は、そこで一冊の日記帳を見つけます。

そこにはPという人物と運命的な出会いを果たし、恋に落ちていった粧子の気持ちが克明に記されているのでした。

果たしてPとは、晃二の憧れの車であった「パンサー」を意味しているのか。

物語は次の章で驚きの結末を迎えます。

緋紗江が語るすべての真相

まだ高校生だった緋紗江は、学校の海合宿で粧子というか弱い少女と出会います。

その後バスケットの試合会場で再会した緋紗江と粧子は、あっという間に恋へ落ちてしまうのでした。

粧子は部活の演劇の中で「ネリサ」という役を演じ、緋紗江のことを「ポーシャ」と呼び始めます。

そう、Nとは粧子のことで、Pとは緋紗江のことを指していたのです。

しかし一時期の恋と割り切っていた緋紗江に対し、粧子は熱中するあまり、常軌を逸した行動を取り始めるようになります。

そして緋紗江は粧子の思いを断ち切るため、測量士の勉強をして田舎のダム建設地で働き始めるのでした。

こうして運命的な出会いを果たしたのが、晃二だったのです。

その後、緋紗江を追って村を訪れた粧子は、恋敵であった晃二と出会ってしまうのでした。

ただし物語の冒頭に登場した紀子は、なぜ晃二と出会ったのか。まだまだ物語には謎が残されています。

ということで、結末が気になる方はぜひ自分の目で確かめてみてくださいね。

ここからは湖底のまつりのレビューや感想を少し紹介させていただきます。

え?何この展開?とタイトルを二度見しました

私は読み始める前に、表紙の裏側にあるあらすじを読むタイプなのですが、この本は思わぬ展開に間違って本を買ったのかと何度もタイトルと裏のあらすじを見返しました(笑)

物語の随所に出てくる村の祭りも、衝撃のラストを生む手助けとなっており、無駄のない構成は見事の一言でした。

しかしこんなトリックというか、仕掛けを考えついただけでなく、よく書ききったなというのが一番の驚きですね。

正直、紀子と晃二の出会いの真相は、首を傾げたくなるような説明もあるのですが、泡坂妻夫さんの筆力で強引にねじ伏せた感がありますね(笑)

人によっては驚きよりも、「これはナシだと!」と思う方もいるかもしれませんが、ミステリー小説というよりも幻想小説と捉えてもらえば、もっと素直に楽しめると思います。

文学性の高い文章にも圧倒されること間違い無し

泡坂妻夫さんは、トリックの意外性や緻密な構成だけでなく、文学性の高い文章力も大きな魅力の一つです。

最近のミステリー業界は、とにかく読者を驚かせるトリックや、話題性が重要視される傾向にありますが、こうした文学性の高いミステリー小説というのは、やはり一度読むと心に残るものですよね。

ミステリー小説は世界を描けていないから興ざめしてしまうという方も、泡坂妻夫さんの作品であれば物語の世界に没頭できると思います。

ということで、今回は2017年に再び話題を集めている、泡坂妻夫さんの「湖底のまつり」のあらすじと感想を紹介させていただきました。

まだ読んでいないという方は、ぜひ一度読んで似てくださいね。

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