暗いところで待ち合わせ

シェアする

暗いところで待ち合わせ

乙一の、平成14年に初版が出版されたこの作品。

乙一といえば「ZOO」などちょっと背中がゾクゾクするようなホラー小説でおなじみですが、この話はホラーというよりはミステリー小説。でもそんなに難しい謎があるわけではなく、すんなり読み進められます。まずはあらすじからご紹介!

スポンサーリンク
336

暗いところで待ち合わせのあらすじ

視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。他人の気配に怯えるミチルは、身を守るため、知らない振りをしようと決める。奇妙な同棲生活が始まった――。書き下ろし小説。

目が見えないミチルと、その家に逃げ込んだ殺人犯アキヒロ。似たような孤独や悩みを抱えている2人はいろんな偶然が重なって、共にゆっくりとした時間を過ごすことになります。しかしミチルの気持ちになると、家にしらない人が知らぬ間に暮らしているなんて、どんなに恐ろしいことか…。

暗いところで待ち合わせのおすすめポイント

真犯人を探せ!

アキヒロは嫌いな職場の先輩をホームから突き落とした殺人犯とされていますが、ミステリー小説で、しかも乙一が、わざわざあらすじで犯人を読者に知らせるでしょうか?答えはノーですよね。もちろん真犯人がいるんです。

ミステリーを読み慣れている人なら、三分の一ほど読み進めたところからは「誰が真犯人なんだ?」と必死になってしまうでしょう。最後には私も「なるほど、そこかー!」とスッキリしました。人の執念って怖いです。

乙一は実は恋愛小説も得意!?

早見あかりさん主演で映画化された「百瀬、こっちを向いて。」。作者の名前は中田永一となってますが、実はこれ乙一の別名義なんです。そんなわけで、ホラーだけが乙一じゃありません!実は心温まる人間模様を描くのも得意。心が苦しくなるような激しい恋愛模様はそこにはありませんが、いつのまにか主人公を応援したくなるような優しい気持ちになれます。

目の見えないミチルは、最初は殺人犯だと思われるアキヒロを恐れますが、一緒に空間を共有していくうちに「この人は悪い人じゃないんじゃ?」と疑念を抱き、それはやがて確信になっていきます。2人に抱かれるものが恋愛感情なのか、それとも家族愛のようなものなのか作品の中ではハッキリとはわかりませんが、2人が幸せに暮らしていければいいな〜、なんて思ってしまいました。どうか幸せでありますように!

暗いところで待ち合わせの感想

ミチルはアキヒロと過ごしていくうちに、アキヒロの分まで食事を用意してくれるようになるんですけど、そのシーンがとにかく暖かい。ジブリ映画によくある家族での食事シーンを思い出します。ジブリ映画に出てくるごはんって全部美味しそうですよね!「暗いところで待ち合わせ」もそんなかんじのシーンがあります。美味しい食事って人と人とを繋げてくれる、とってもいいものですよね。私も好きな人にご飯を作ってあげたくなりました。

あとこれを読んでからは、街で白杖を持っている人を見るとなんだか不思議な気持ちになります。当たり前のように歩いている人も、きっと最初は怖くて怖くて、でもたくさん練習して外に出れるようになったんだろうなと。点字ブロックとか音声案内とか、手助けをするものはたくさんで増えているけど、ながらスマホが多いこの世の中じゃ、もしかしたら昔よりも今の方が危険は多いのかもしれませんね。

私は中高生の頃に乙一が流行って、いくつか作品を読んだんですけど、これはホラー要素が少なくて逆に記憶に残ってます。乙一の本ってホラーとか悪趣味とか思われていたりもしますが、案外読みやすいので中学生とかにおすすめしたいですね。もちろん大人でも面白く読めますよ!

スポンサーリンク
336
336

シェアする

フォローする