ナミヤ雑貨店の奇蹟のあらすじと感想(※ネタバレ注意)

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ナミヤ雑貨店の奇蹟
読者を驚かせるトリックから、思わず泣いてしまう憎い仕掛けまで、自由自在にわたし達を翻弄する東野圭吾さん。

今回紹介する「ナミヤ雑貨店の奇蹟」は、そんな彼の魅力が詰まった奇跡の一冊です。

2017年に実写映画化されたことでも話題になりましたが、すでに映画を観た方でも原作を読むと、また違った発見があり、再び感動してしまうこと間違いなし。

ということで、今回は「ナミヤ雑貨店の奇蹟」のあらすじ、そして読んだ感想を紹介していきます。

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「ナミヤ雑貨店の奇蹟」のあらすじ

悪事を働いた3人が逃げ込んだ古い家。そこはかつて悩み相談を請け負っていた雑貨店だった。廃業しているはずの店内に、突然シャッターの郵便口から悩み相談の手紙が落ちてきた。時空を超えて過去から投函されたのか?3人は戸惑いながらも当時の店主・浪矢雄治に代わって返事を書くが…。次第に明らかになる雑貨店の秘密と、ある児童養護施設との関係。悩める人々を救ってきた雑貨店は、最後に再び奇蹟を起こせるか!?

ナミヤ雑貨店の店主がお悩み相談を受けることから物語が展開していきます。

ところが実際はお店には誰もおらず、そこにひょんなことから、逃走中の泥棒の三人組の少年達が、隠れ家としてナミヤ雑貨店を訪れます。

辺りは暗く人気もないため、絶好の隠れ家だと安心していると、誰かがお店の方に近づいてくる足音が聞こえます。

三人は慌てますが誰も中には入ってこず、物音の正体を確認すると、ポストに一通の手紙が入っていました。

一安心するリーダーの少年でしたが、他の二人は手紙の内容が気になってしまい、勝手に封を開けてしまいます。

リーダーはややこしいことには関わるなと言っても聞かず、相談者の手紙の内容を読んでいきます。そしてあろうことか相談にのろうという結論に至ります。

リーダーは反対しましたが、二人曰くほっとけない性格のため、構わず回答を綴った手紙を書いて、外に置いてある相談者が受け取れる箱に手紙を入れます。

これで問題解決かと思いきや、ナミヤの店主はいるものだと思って、次から次へとポストに手紙が投函されていきます。

それに気がついた少年達は驚きながらも、手紙に対して返事をするべきか考えます。

三人で議論してぉる間も悩みを相談したい人は後を絶たず、成り行きで相談にのる羽目となってしまいます。

人の数だけ悩みも多種多様あり、それらに対して店主に扮した三人組が知恵を絞って解答し、相談者を後押しします。

泥棒の三人組が悩みの解決方法を提案し、相談者は葛藤しながらも、自分の中で消化して人生を進んでいきます。

彼らは家庭の事情をきっかけに泥棒となってしまいましたが、そんな役立たずの自分達にも他人の相談にのることで、価値を見いだしていく様も、非常に印象的です。

そしてなんといっても、その他に家業と夢を追いかけるかで思い悩む青年や、家族と絶縁した男性。幼い頃に母親を失った女性など。それぞれの人生を垣間見え、一つの線へと繋がっていく東野圭吾氏の小説には、鳥肌が立ちます。

人生の成功者を見ていると、良い部分だけ見てあんなに上手くいっている人が、悩みなんてないだろうと錯覚してしまう。

しかし本当は誰もが人生で思い悩むことはある。そんな時に「ナミヤ雑貨店」という相談所が織り成す、苦しくも心温まる物語となっています。

インターネットの普及や商店街は閑散とし、他人との関係がどんどんと希薄化していく現代で、人とのつながりは貴重で良いものだということを、思い出させてくれる小説です。

ナミヤ雑貨店の感想

印象的なのは苦しみながらも、誰もが前向きに目の前の問題に立ち向かっている所です。

相談者は自分なりの考えを持っていても、今ひとつ自信を持てないので、相談解決で有名なナミヤ雑貨店を当てにしたのでしょう。

よく問題解決のために、自分自身で考え行動することが大切だ。

無闇に他人にアドバイスを求めるのは良くないと言われます。

相談内容として、自分の考えをちゃんと持っていて、それを悩みのプロに正しいと言ってもらい、自信を確信にしたいのだろうと思いました。

登場人物の中で唯一、救われなかったのが三人組の少年達です。

彼らは犯罪を犯しているので当然ではありますが、いわゆる人生を詰んでしまった展開には、不謹慎ながら残念でした。

何故なら本当の悪人であれば、赤の他人の相談にのったりするでしょうか?

リーダーの少年だけは悩み相談にのるのを不服に感じていたものの、後の二人はとても盗人とは思えないほど、他人のことを自分のように心配できる、優しい心も持ち合わせていました。

現実の加害者でも、よくそんなことをする人には見えないというインタビューを耳にしますよね?

根っこの部分はきっと優しかったのだと思うのです。

それでも生きていると何が起こるか分かりません。だからどんな時も自分を保つ大切さも必要なのです。

彼らをそうさせてしまったのは、家庭崩壊が原因でした。

現実の世界でも親子問題が原因となり、非行に走る少年少女達がいることを考えると、何ともいたたまれない気持ちになります。

三人の少年以外にも親に恵まれない登場人物はいましたが、逆境をバネにして力強く生きており、両者は実に対照的でした。

一体何が違っていたのか、皮肉にも相談する側は人生に対して前向きだから、悩み事を解決しようと相談します。

反対に回答者は自分達の失敗経験から考えを導きだして、相談者に正しい道を突き進んで欲しいといった、メッセージ性を感じました。

世の中、上手くいかないことが続くと、何もかも嫌になって非行に走ってしまう気持ちも、分からなくはないです。

いつ成功するかも分からないし、ずっとこのままかもしれないという悲壮感にも襲われるかもしれません。

しかし本書を読み進んでもらえれば、そんな辛い出来事があっても、自分らしくいられてただただ尊敬するばかりです。

ですから「ナミヤ雑貨店の奇蹟」を読まれた方は、きっと前向きに力強く生きていこうと思える、きっかけという奇跡と出逢えるはずです。

当サイトではこちらの記事で東野圭吾さんのおすすめ作品や、面白いミステリー小説を紹介しています。

もっと面白い小説に出会いたい!という方はぜひ参考にしてください!

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