単純に面白い小説を読みたい!そんな方には貴志祐介さんの小説がおすすめです!
ホラー・ミステリー・SFと多彩なジャンルでヒット作を連発しており、現代を代表する売れっ子作家のひとりです。
毎回驚きのアイデアで読者を楽しませてくれるので、どの作品も楽しく読めること間違いなし!
今回はノベナビ編集者の独断によって選んだ「エンタメの天才!貴志祐介おすすめベスト7」をご紹介します!
7位、天使の囀り
北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。恋人で作家の高梨は、病的な死恐怖症だったが、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加してからは、人格が異様な変容を見せ、あれほど怖れていた『死』に魅せられたように、自殺してしまう。さらに、調査隊の他のメンバーも、次々と異常な方法で自殺を遂げていることがわかる。アマゾンで、いったい何が起きたのか?高梨が死の直前に残した「天使の囀りが聞こえる」という言葉は、何を意味するのか?前人未到の恐怖が、あなたを襲う。
私が初めて貴志祐介さんに出会ったのがこの作品でした。うわ、趣味が悪いなと思ったのを覚えています(笑)
ただこの作品を思いつく想像力、そして一冊の作品として書き上げる構成力は凄いですよね。
私は実際に経験も見たこともない世界を描こうとする小説家が大好きです。
この作品でも冒頭のアマゾンの秘境を冒険する描写や、蜘蛛に惹かれていく少年の話など、頭の中で想像するしかない世界にどんどんチャレンジしていく姿勢が、小説に広がりを持たせているんだと思います。
なんでこの人はこんな話が書けるんだろう…、貴志祐介さんの小説を読むと毎回驚かされてしまうのです。
ただ終盤の蟲要素が個人的にきもかったので、7位に抑えておきます。
6位、硝子のハンマー
日曜の昼下がり、株式上場を目前に、出社を余儀なくされた介護会社の役員たち。エレベーターには暗証番号、廊下には監視カメラ、有人のフロア。厳重なセキュリティ網を破り、自室で社長は撲殺された。凶器は。殺害方法は。すべてが不明のまま、逮捕されたのは、続き扉の向こうで仮眠をとっていた専務・久永だった。青砥純子は、弁護を担当することになった久永の無実を信じ、密室の謎を解くべく、防犯コンサルタント榎本径の許を訪れるが―。
貴志祐介さんがおそらく初めて挑んだであろう謎解きミステリー小説です。
使われたトリックやロジック自体は新しいものはないですが、前後編で視点をがらりと変える構成が面白かったです。
特に後半部分は人物設定が作り込まれていて、つい事件を忘れて読みいってしまいました。
ただ本格ミステリーとして読むと、ミステリーファンには物足りない点があるかもしれません。
細かく考えるのではなく、物語を素直に追っていけば楽しめる作品だと思います。
硝子のハンマーというタイトルに込められた意味にも注目です!
5位、黒い家
若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。ある日、顧客の家に呼び出され、期せずして子供の首吊り死体の第一発見者になってしまう。ほどなく死亡保険金が請求されるが、顧客の不審な態度から他殺を確信していた若槻は、独自調査に乗り出す。信じられない悪夢が待ち受けていることも知らずに…。恐怖の連続、桁外れのサスペンス。読者を未だ曾てない戦慄の境地へと導く衝撃のノンストップ長編。第4回日本ホラー小説大賞大賞受賞作。
貴志祐介さんの出世作となった傑作ホラーです。
保険会社という珍しい設定が面白かったですね。黒い家に行かなければならない理由も整然としていたので、避けられない恐怖感があって怖かったです。
日本のホラー小説といえば、呪いや幽霊というイメージがありましたが、人間の恐怖を描くことに成功した新しいホラー小説だと思います。
保険金詐欺での殺人事件は現実でも多いですからね。この作品に出てくるようなモンスターもいかもしれませんね…。
4位、クリムゾンの迷宮
藤木芳彦は、この世のものとは思えない異様な光景のなかで目覚めた。視界一面を、深紅色に濡れ光る奇岩の連なりが覆っている。ここはどこなんだ? 傍らに置かれた携帯用ゲーム機が、メッセージを映し出す。「火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された……」それは、血で血を洗う凄惨なゼロサム・ゲームの始まりだった。『黒い家』で圧倒的な評価を得た著者が、綿密な取材と斬新な着想で、日本ホラー界の新たな地平を切り拓く、傑作長編。
クリムゾンの迷宮は、これまでの貴志祐介作品とはかなり毛色の違う一作だと思います。
バトルロワイヤルや山田悠介さんの「特別法第001条 DUST」が好きな人におすすめです。
不条理な条件の元で行われるサバイバルゲームは、なぜこうも人の感情を揺さぶるのでしょうか。
意外と自分の人生を重ねている人が多いのかもしれませんね。
ハラハラする展開にどんどんページが進んでいき、物語の終盤には「なるほどね!」という伏線も隠されています。
貴志祐介作品の中でも隠れファンの多い一冊です。
3位、青の炎
櫛森秀一は、湘南の高校に通う十七歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との三人暮らし。その平和な家庭の一家団欒を踏みにじる闖入者が現れた。母が十年前、再婚しすぐに別れた男、曾根だった。曾根は秀一の家に居座って傍若無人に振る舞い、母の体のみならず妹にまで手を出そうとしていた。警察も法律も家族の幸せを取り返してはくれないことを知った秀一は決意する。自らの手で曾根を葬り去ることを…。完全犯罪に挑む少年の孤独な戦い。その哀切な心象風景を精妙な筆致で描き上げた、日本ミステリー史に残る感動の名作。
ジャンルは青春ミステリーになるのでしょうか。
読み終わったあと、心に残った感情をどこにぶつければいいのか…。とにかくやるせない、そして愛を感じるのが青の炎です。
作品の途中までと読み終わってからでは、主人公の印象もがらりと変わりますよね。
ヒロインの淡く切ない恋も、この作品の救いのない結末を引き立てています。
嵐の二宮さん主演で映画化もされているので、読み終わったあとはぜひ映画でも感動してください。
2位、悪の教典
学校という閉鎖空間に放たれた殺人鬼は高いIQと好青年の貌を持っていた。ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー。
貴志祐介作品には度々出てくるサイコパスが活躍する小説です(笑)
伊藤英明さん主演の映画化作品もヒットしたので、悪の教典の名前を知っている方も多いのではないでしょうか。
文庫本では上下巻に分かれており、上巻ではサイコパスであるハスミンの静かな恐怖。下巻ではもう…大暴れですね。
この作品を読むときには、倫理観などは一旦置いといて、ただ刺激を楽しむことをおすすめします。
1位、新世界より
1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。周囲を注連縄で囲まれたこの町には、外から穢れが侵入することはない。「神の力」を得るに至った人類が手にした平和。念動力の技を磨く子どもたちは野心と希望に燃えていた…隠された先史文明の一端を知るまでは。
作り込まれた舞台設定、壮大な世界観、スリリングな展開。
世界にどっぷりはまり込みたい方には、新世界よりがおすすめです。
文庫本では上・中・下と分かれていますが、全然長さを感じさせない”面白い!”小説でした。
「現代から1000年後」「念動力を操る人々」と設定だけを見るとライトノベルっぽいですが、大人が読んでも充分面白い作品だと思いますよ。
ぽっかり空いた休日など、新世界よりを読んでお話の世界の飛び込んでみてはいかがですか?
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は今最も売れる作家の一人である貴志祐介さんのおすすめ作品を紹介しました。
全作品じっくり設定を練り込んで作り上げられているので、まだまだ他の売れっ子作家に比べると作品数は少な目です。
気にいった方はぜひ全作品制覇してみてはいかがでしょうか!
以上、ノベナビ編集部が選ぶ「エンタメの天才!貴志祐介おすすめベスト7」でした。