理系男子を中心に、熱狂的なファンを生み出し続けている森博嗣さん。
工学部出身ということで、作中に随時出てくる理系KWDがたまらないという方も多いのでは?
また理系の人だけでなく、文体のリズムや言い回しが好き!という文系の人も多いみたいですね。
かくいう私もその1人で、理系の知識は全くありませんが、森博嗣さんの作品ならスラスラと読めてしまうから不思議です。
今回はそんな森博嗣さんの作品の中から、特におすすめした10作品をピックアップ!
これから森博嗣作品を読み進めていこうかなと考えている方は、ぜひ参考にしてください!
すべてがFになる
孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。
第一回メフィスト賞を受賞し、森博嗣さんのデビュー作となった今作品。
理数系のトリックがメインなので、苦手な方には難しく感じるかもしれませんが、最悪意味が分からなくても面白いので、適当に読み飛ばして大丈夫です。
タイトルの意味が分かったときの爽快感は、たまらないですよ!
これから初めて森博嗣作品を読む方は、この作品から読み始めることをおすすめします。
冷たい密室と博士たち
同僚の誘いで低温度実験室を訪ねた犀川助教授とお嬢様学生の西之園萌絵。だがその夜、衆人環視かつ密室状態の実験室の中で、男女二名の大学院生が死体となって発見された。被害者は、そして犯人は、どうやって中に入ったのか!?人気の師弟コンビが事件を推理し真相に迫るが…。究極の森ミステリィ第2弾。
すべてがFになる、に続くS&Mシリーズの2作目。
元々森博嗣さんは、この作品をシリーズの1作目だと考えていたようです。
今作品は密室トリックが鍵となっており、どうやって犯人は冷凍室にいる二人を殺したのか…、という謎を追います。
なぜあんな一目の集まる場所で犯行に及ばなければならないの?という疑問はさておき、分かりそうで分からない、ヒントの出し具合も巧みです。
封印再度
50年前、日本画家・香山風采は息子・林水に家宝「天地の瓢」と「無我の匣」を残して密室の中で謎の死をとげた。不思議な言い伝えのある家宝と風采の死の秘密は、現在にいたるまで誰にも解かれていない。そして今度は、林水が死体となって発見された。二つの死と家宝の謎に人気の犀川・西之園コンビが迫る。
タイトルがオシャレすぎる作品。
密室もののミステリーということで、英語の「Who Inside」とかけられており、ほんと天才だと思いました。
内容的にはトリックが破たんしているとまでは言いませんが、結構苦しい部分があるのも事実。
S&Mシリーズが好きになっていないと、読み進めるのは難しいかもしれません。
森博嗣作品にハマってしまった方には、楽しめる一冊だと思います。
有限と微小のパン
日本最大のソフトメーカが経営するテーマパークを訪れた西之園萌絵と友人・牧野洋子、反町愛。パークでは過去に「シードラゴン事件」と呼ばれる死体消失事件があったという。萌絵たちを待ち受ける新たな事件、そして謎。核心に存在する、偉大な知性の正体は…。S&Mシリーズの金字塔となる傑作長編。
悲しいかな、S&Mシリーズ最後の作品。
最終作にふさわしく、最大のスケールで描かれています。
まさかのあの人物も再び登場し、長きにわたって貼られていた伏線が回収される瞬間は快感です。
ミステリ―としては正直どうなの?と考える人も多いようですが、シリーズものとしてはよくできたラストだと思います。
シリーズ前作読むのはしんどいという方は、せめて第一作目の「すべてがFになる」を読んでから、この作品を読んでくださいね。
女王の百年密室
2113年の世界。小型飛行機で見知らぬ土地に不時着したミチルと、同行していたロイディは、森の中で孤絶した城砦都市に辿り着く。それは女王デボウ・スホに統治された、楽園のような小世界だった。しかし、祝祭の夜に起きた殺人事件をきっかけに、完璧なはずの都市に隠された秘密とミチルの過去は呼応しあい、やがて―。神の意志と人間の尊厳の相克を描く、森ミステリィの新境地。
いや、全然予想もしてなかったストーリーの驚かされました。
まず世界観がすごいですね。近未来を舞台にしたSFチックな作品なのですが、森博嗣さんの想像力に驚かされます。
中盤からちょっと退屈な展開が続きますが、後半からの怒涛のどんでん返しには、思わず大興奮。
一応密室トリックなどミステリ―要素もありますが、真剣に推理する必要はないと思います(笑)
思考を柔軟に、感性を豊かにして読んで欲しい一冊です。
そして二人だけになった
全長4000メートルの海峡大橋を支える巨大なコンクリート塊。その内部に造られた「バルブ」と呼ばれる閉鎖空間に科学者、医師、建築家など6名が集まった。プログラムの異常により、海水に囲まれて完全な密室と化した「バルブ」内で、次々と起こる殺人。残された盲目の天才科学者と彼のアシスタントの運命は…。反転する世界、衝撃の結末。知的企みに満ちた森ワールド、ここに顕現。
アガサクリスティの「そして誰もいなくなった」と同様、この作品でもクローズドサークルで起きる連続殺人事件がテーマです。
しかしさすが森博嗣さん!クローズドサークルの舞台がすごいですね(笑)
巨大な橋のアンカレイジに閉じ込めるなんて、この人しか思い浮かばないのではないでしょうか。
最後の最後まで隠されているどんでん返しに、もう一度最初から読み返す羽目にはった人も多いのでは?
彼女は一人で歩くのか?
ウォーカロン。「単独歩行者」と呼ばれる人工細胞で作られた生命体。人間との差はほとんどなく、容易に違いは識別できない。研究者のハギリは、何者かに命を狙われた。心当たりはなかった。彼を保護しに来たウグイによると、ウォーカロンと人間を識別するためのハギリの研究成果が襲撃理由ではないかとのことだが。人間性とは命とは何か問いかける、知性が予見する未来の物語。
タイトルに惹かれて買ってしまった一冊。
百年シリーズに登場するウォーカロンが登場し、Wシリーズの一作目に位置する作品。
これまでとはまた一味違ったテイストになっており、ミステリーからは少し離れてエンタメ寄りに。
人間とは何なのか、ヒューマノイドとは何なのか。
森博嗣さんの論理的思考が光る一冊となっています。
笑わない数学者
偉大な数学者、天王寺翔蔵博士の住む「三ツ星館」。そこで開かれたパーティの席上、博士は庭にある大きなオリオン像を消してみせた。一夜あけて、再びオリオン像が現れた時、2つの死体が発見され…。犀川助教授と西之園萌絵の理系師弟コンビが館の謎と殺人事件の真相を探る。超絶の森ミステリィ第3弾。
またまたS&Mシリーズから紹介させていただきます。
この作品はシリーズ的には3作品目にあたるのですが、最もミステリーの限界に挑戦した作品だと思います。
構造的には館もののミステリーで、読者へのヒントも結構分かりやすく提示されており、自力で推理できたという人も多いと思います。
しかしそれこそが森博嗣先生の罠なんです。
探偵の答えが正解とは限らない。
従来のミステリー小説では考えられない、読者への挑戦にあなたは正解を導き出すことができるでしょうか。
φ(ファイ)は壊れたね
その死体は、Yの字に吊られていた。背中に作りものの翼をつけて。部屋は密室状態。さらに死体発見の一部始終が、ビデオで録画されていた。タイトルは「φは壊れたね」。これは挑戦なのか?N大のスーパー大学院生、西之園萌絵が、山吹ら学生たちと、事件解明に挑む。Gシリーズ、待望の文庫版スタート。
Gシリーズの記念すべき一作目!
なんとS&Mシリーズの西之園萌絵と犀川創平が再登場するんです!
これだけでファンにはたまらないですね!
それ以外にも他のシリーズに出てきた登場人物がどんどん出てきて、森博嗣さんが生み出してきた作品の集大成とも言えるシリーズです。
ある種、森博嗣作品のあるあるになっていますが、まあトリックはどうでもいいです(笑)
森博嗣作品の文章のリズムや、独特なロジックにはまってしまった人におすすめします。
どきどきフェノメノン
窪居佳那・二十四歳、大学院のドクタコースに在籍して研究に没頭中。趣味は起き抜けのシャンプーと「どきどき」の探求。悩みは飲酒時の記憶喪失とよくわからない自分の気持ち。後輩の爽やか青年・鷹野と人形オタクの水谷、ダンディな指導教官の相澤、謎の怪僧武蔵坊。佳那を一番どきどきさせるのは誰か?―『すべてがFになる』でミステリィ界の地図を塗り替えた異才がおくる初のラブコメディ。
ここで変わり種ともいえるこの作品をご紹介。
なんと森博嗣さんが初めて書いたラブコメディ!
S&Mシリーズを読んでいるときから、若干そっち系統も好きなんだろうなと思っていましたが、まさか本気で書いてしまうとは…(笑)
読んでいてちょっと気恥ずかしい瞬間もありますが、それこそがラブコメですよね!
森博嗣さんの独特な言い回しは、意外と恋愛ものにハマるんだな、と新しい発見がありました。
ミステリーがあまり好きではない方におすすめの一冊です。
ということで、いかがだったでしょうか?
今回は森博嗣さんの作品の中から、個人的におすすめの10作品をピックアップして紹介させていただきました。
森博嗣さんはとにかく作品数が多いので、今回紹介した作品以外にも、まだまだ面白い作品がまだまだたくさんあります。
1冊読んでハマってしまった!という方は、ぜひ全作品コンプリートを目指してください!
またミステリーが好きという方は、当サイトノベナビ内にあるこちらの記事で、おすすめのミステリー小説を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。