乙一の傑作おすすめ小説ランキングベスト7

シェアする

乙一おすすめ小説ランキング

よくこんな設定を思いついたな…と、毎回私たちを驚かせてくれる乙一さん。

背筋が凍るような恐ろしい作品から、心温まるハートフルな作品まで、幅広いスタイルを持つい乙一さんは、これまで数多くの傑作を残してきました。

そこで今回は乙一さんのファンが選ぶ、おすすめ乙一作品ランキングをご紹介!

最近乙一作品にハマってきたけれど、何から読めばいいか分からないという方はぜひ参考にしてくださいね!

スポンサーリンク
336

7位 夏と花火と私の死体

九歳の夏休み、少女は殺された。あまりに無邪気な殺人者によって、あっけなく―。こうして、ひとつの死体をめぐる、幼い兄妹の悪夢のような四日間の冒険が始まった。次々に訪れる危機。彼らは大人たちの追及から逃れることができるのか?死体をどこへ隠せばいいのか?恐るべき子供たちを描き、斬新な語り口でホラー界を驚愕させた、早熟な才能・乙一のデビュー作、文庫化なる。第六回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞受賞作。

乙一さんの記念すべきデビュー小説。

「これが本当にデビュー作なの?」と驚く程のクオリティです。

この本はジャンプ小説・ノンフィクション大賞(集英社)を受賞し、文芸界からも高い評価を得ています。

主人公である「五月」は夏休みのある日、友達の「弥生」に殺されてしまいます。

「弥生」は「五月」を殺したことを隠そうとし、「弥生」の兄である「健」もその手助けをすることに。

遺体をどこに隠そうかと子どもたちが大人の行動や考えを読みながら探していくさまを、語り手である主人公の「五月(わたし)」目線で描いています。

その描写は本当に巧みに書かれており、読者もハラハラドキドキ、手に汗握ります。

また、死体目線で物語が展開していく中での、乙一ならではのブラックユーモアもきらりと光る一冊です。

「素足をまじまじと見られるのは恥ずかしい」。全く状況にそぐわない死体目線の一文に、ホラー小説なはずなのに思わずクスっときてしまいます。

ページ数も比較的少なく、手軽に読めるホラー小説です。是非、夏に読んでほしい一冊です。

6位 ZOO1

何なんだこれは!天才・乙一のジャンル分け不能の傑作短編集が「1」、「2」に分かれて、ついに文庫化。双子の姉妹なのになぜか姉のヨーコだけが母から虐待され…(「カザリとヨーコ」)、謎の犯人に拉致監禁された姉と弟がとった脱出のための手段とは?(「SEVEN ROOMS」)など、本書「1」には映画化された5編をセレクト。文庫版特別付録として、漫画家・古屋兎丸氏との対談も収録。

乙一さんの魅力をすべて堪能できる短編集です。

表題作を含め全5作が収録されています。

虐待をテーマにした「カザリとヨーコ」、監禁された姉弟のお話「SEVEN ROOMS」、並行世界の間にいる少年のお話「SO-far」、ロボットが「死」と向き合う「陽だまりの詩」、そして表題作の「ZOO」。

どれも色んな角度から乙一の世界を楽しめる作品となっています。

この中で特におすすめなのは「陽だまりの詩」です。

他4作と違い心温まるお話です。

「もうすぐ死ぬ自分を埋葬してほしい」という願いを込められて作られたロボットが、「死」の概念について考えてくというストーリー。

ロボットならば感情はないと考えられていますが、ここで登場するロボットは主人と過ごし、「死」を考えていきます。

最後の主人を看取るシーンは美しさと切なさが入り交じり、その素晴らしさは乙一だからこそ表現できたのだと思います。

全作簡単に読めるようなものばかりなので、隙間時間などで読めるラフな一冊です。

5位 ZOO2

天才・乙一のジャンル分け不能の傑作短編集その2。目が覚めたら、何者かに刺されて血まみれだった資産家の悲喜劇(「血液を探せ!」)、ハイジャックされた機内で安楽死の薬を買うべきか否か?(「落ちる飛行機の中で」)など、いずれも驚天動地の粒ぞろい6編。文庫版だけのボーナストラックとして、単行本に入っていなかった幻のショートショート「むかし夕日の公園で」を特別収録。

前作に続く全5作からなる短編集。

今作ではコメディ要素が光っていて、クスっとなるようなお話が混じっています。

こんなお話も書けるのかと、乙一さんの新しい一面を見せつけられました。

特におすすめなのは「血液を探せ!」です。

主人公は目を覚ますとお腹に包丁が刺さっていました。

しかし山の中のため救急車が来るまでには時間がかかります。

出血や意識が朦朧としてくる中で一緒に泊まっていた人の中から犯人捜しをしますが、とてもお腹に包丁が刺さっているとは思えない発言の山に笑ってしまいます。

シリアスな展開の中に盛り込まれたユーモア溢れるギャグの融合が癖になる一作です。

しかし最後はやはり乙一さん。

伏線を回収して綺麗に締めてくれるので、ミステリ―好きな方も満足する作品だと思います。

他の作品もバラエティに富んでおり、前作とはまた違った赴きのある作品です。

4位 失はれる物語

目覚めると、私は闇の中にいた。交通事故により全身不随のうえ音も視覚も、五感の全てを奪われていたのだ。残ったのは右腕の皮膚感覚のみ。ピアニストの妻はその腕を鍵盤に見立て、日日の想いを演奏で伝えることを思いつく。それは、永劫の囚人となった私の唯一の救いとなるが…。表題作のほか、「Calling You」「傷」など傑作短篇5作とリリカルな怪作「ボクの賢いパンツくん」、書き下ろし最新作「ウソカノ」の2作を初収録。

こちらも乙一さんの新たな一面の魅力が詰まった短編集。

表題作の「失われる物語」は、ページをめくるたびに胸が締め付けられ、涙なしでは読むことができません。

事故のために触覚以外の全ての機能を失ってしまった夫を思い続ける妻の切ない思い、それに答えられず闇の中で生き続ける夫の、静かで悲しい物語です。

夫の腕にピアノを奏でるように触れて、旋律に変えて思いを伝えるシーンは、乙一さんしか描くことができなかったでしょう。

他に、電話が鍵となる少し切なさを感じさせながらもどこか心を穿つ「Calling You」、他の短編とは色が違う「ボクの賢いパンツくん」などが収録されています。

物悲しい物語を書かせるとその才覚を如何なく発揮する乙一さんですが、この短編集はどの作品も本当によくできています。

悲しみの中に、どこか温かみのある、そんな物語を集めた至高の一冊だと思います。

3位 暗いところで待ち合わせ

視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。他人の気配に怯えるミチルは、身を守るため、知らない振りをしようと決める。奇妙な同棲生活が始まった―。書き下ろし小説。

表紙を見るとホラー作品のように思うかもしれませんが、最後には心温まるみんなに読んで欲しい一冊です。

一人暮らしをしている目の見えない「ミチル」。

彼女は暗闇には慣れてしまいました。その生活の中に入り込んできた人の気配。

その正体は殺人を犯したために目の見えない「ミチル」の家を隠れ家に選んだ、殺人犯の「アキヒロ」でした。

「ミチル」は人の気配を感じながらも気付かぬフリをします。

一方「アキヒロ」は、自分の存在に気付いているはずなのに通報しない「ミチル」に安心感を抱くようになりました。

そんな2人の奇妙な同居生活を描いた物語です。

2人が心に傷を負っている中で、少しずつ相手に気を許していく描写は心温まります。

言葉は何も交わしませんが、それでも確実に2人の距離が縮まっていく様子は、こちらまで安心感を得られるようです。

読み終わって、表紙で判断せずに読んでよかったな、と安らげる、そんな一冊です。

こちらもページ数が少なめで軽く読めるので、優しい乙一を読みたいならばおすすめの作品となっています。

「暗いところで待ち合わせ」のさらに詳しいあらすじやレビューはこちら。

暗いところで待ち合わせ
乙一の、平成14年に初版が出版されたこの作品。 乙一といえば「ZOO」などちょっと背中がゾクゾクするようなホラー小説でおなじみ...

2位 箱庭図書館

僕が小説を書くようになったのには、心に秘めた理由があった(「小説家のつくり方」)。ふたりぼっちの文芸部で、先輩と過ごしたイタい毎日(「青春絶縁体」)。雪面の靴跡にみちびかれた、不思議なめぐり会い(「ホワイト・ステップ」)。“物語を紡ぐ町”で、ときに切なく、ときに温かく、奇跡のように重なり合う6つのストーリー。ミステリ、ホラー、恋愛、青春…乙一の魅力すべてが詰まった傑作短編集!

公募作品を乙一がリメイクしたという新しい試みにチャレンジした一冊。

こちらも短編集なのですが、公募作品が元なので、今までの乙一作品とは少し違った雰囲気を味わうことができます。

しかしやはり乙一さん独特の空気は崩れることなく、どこか心を温めるような、切なさを感じるような、恐怖を抱くような体験が待っています。

この一冊で一番好きなのは「ホワイト・ステップ」です。

姿の見えない相手と雪の足跡で繋がっているという、不思議な世界観のお話です。

お互いの認識方法は雪の積もった地面に残された足跡や筆跡のみ。

雪を通じてお互いの存在を確かめ、だんだんと縮まっていくその距離感は、雪解けのような温かさを感じさせてくれます。

そして乙一独特の繊細な描写が、本当に温かい雪の情景を見せてくれるような感覚を与えてくれます。

一般公募が原作なので、乙一さんのファンからすると物足りなさを感じてしまう方もいるかもしれませんが、それでも素敵なお話が詰まった一冊です。

1位 死にぞこないの青

飼育係になりたいがために嘘をついてしまったマサオは、大好きだった羽田先生から嫌われてしまう。先生は、他の誰かが宿題を忘れてきたり授業中騒いでいても、全部マサオのせいにするようになった。クラスメイトまでもがマサオいじめに興じるある日、彼の前に「死にぞこない」の男の子が現れた。ホラー界の俊英が放つ、書き下ろし長編小説。

「ダーク乙一」が読める一作です。

小学生の「マサオ」のクラスメイトは、担任の「羽田先生」に不満を抱いていました。

しかし、次第にクラスからの反感の矛先が「マサオ」に転換してきて、「マサオ」はいじめの標的になってしまいます。

その中で「マサオ」の目の前に現れたのが「アオ」でした。

「アオ」は壮絶な見た目をしており、「マサオ」にしか見えません。

しかし「マサオ」がいじめを受けている事実を諦め、受け入れようとしたとき、「アオ」は「マサオ」の前から姿を消したのです。

乙一にしては珍しい、少しも救いようのないホラー作品です。

他の乙一作品はどこか温かみを含みながらも切ない物語を紡いできましたが、これは本当にただ怖いだけの物語でした。

しかし「いじめ」をひとつのテーマに置き、そこに「アオ」という「マサオ」にしか見えない少年を登場させたのはやはり乙一ならではの設定ではないかと思います。

いじめにあった子の傷を「アオ」が感情のみで表現するその描写は心が痛くなるようです。

少し暗いお話ですが、暗い乙一を見れる、そんな作品です。

スポンサーリンク
336
336

シェアする

フォローする