一人っ子同盟(重松清)のあらすじ・感想

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小学生が主人公の小説を書いたら世界一!と勝手に思っている重松清さんが描く、一人っ子のお話「一人っ子同盟」。

久しぶりに「いい話」読んで感動したいなーと思って買ったのですが、期待通り心安らぐ素敵なお話でした。

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一人っ子同盟のあらすじ

主人公は小学校6年生で団地に住む男の子、ノブ。ノブは同級生から同じ団地に住む女の子、ハム子と「一人っ子同盟」だとからかわれます。
「一人っ子」で「鍵っ子」、そして周りから見るとちょっとめずらしい家庭環境で生きる男女の同級生。男子と女子という壁がありながら、2人は「一人っ子同盟」として支え合い、卒業を迎えます。

昭和40年代の団地を舞台にした、どこか懐かしい、小学校を経験した事がある人なら誰でも共感できるような作品です。
重松清さんの作品を読んだことがある人なら、あらすじだけでなんとなく期待してしまうのではないでしょうか(笑)

感想※軽いネタバレあり

とにかくキャラクターが魅力的なのが「一人っ子同盟」の魅力です。

ノブは実は一人っ子ではなく、幼いころに兄を亡くしています。一方ハム子はお母さんと二人暮らしだったところに、母親の再婚相手が連れ子と一緒にやってきます。2人は「一人っ子同盟」と言いながらも、実は兄弟の存在がありました。

しかし2人とも自分を「一人っ子」だと学校で名乗っています。そこには小学生ならではのいろいろな事情がありました。
そんなモヤモヤした、でも必死な心情を描くのが本当に重松清さんは上手です。

同じ団地に引っ越してくるオサムも、魅力的なキャラの一人。
オサムは幼いころから親戚の家を転々としていて、そのせいですぐ嘘をついたり、物を盗んでしまいます。いますよね、こういう子。かまってほしいが故に面倒なことをたくさんしてしまう子です。

ノブはそんなオサムをなんとかしたいのですが、一人ではなかなか上手くいかず。結局ハム子を頼ってしまいます。そんなノブのじれったさもまた可愛い。そして助けてあげるハム子の優しさもいじらしいんです。

昔の「小学校あるある」が満載

「一人っ子同盟」には懐かしい小学校ならではのエピソードがたくさん詰まっています。

学校が終わってみんなが集まる児童館。
そんな児童館に会員制度ができたとき、ノブは友達にこんなことを言われます。

「会員はいっぱいになっても鍵っ子は優先的に入れるみたいだよ。お母さんが鍵っ子はかわいそうだからって」

これも一昔前の小学生ならではの話ですね。最近では片親家庭や共働きの家庭は珍しくないですが、昔はちょっと異質なかんじがしていたような気がします。

遠足で決められたお小遣い以上にお金を持ってきている同級生。
カップルだと周りにいじられるから普段あまり話すことができないノブとハム子(実際2人とも好意を持っていたようですが)。
自分はそんなに好きでもないのになぜか家に頻繁に遊びに来る下級生(最初のオサムです)。
電話番号だけでなく兄弟関係など家庭の細かいことも書かされるクラスの連絡網。

こうしたいろいろな下りが懐かしさとリアリティを生み出しています。
最近の小中学生が読んでもあまりピンとこないかもしれないですね。

一人っ子同盟が好きな方へおすすめの重松清作品

ここでは「一人っ子同盟」が好きな方におすすめしたい作品も紹介します!
まだ重松清さんの小説は「一人っ子同盟」だけ…なんて方には絶対に読んでほしいものばかりです。

きよしこ

このサイトでもいろんなところで紹介している気がしますが(笑)
やっぱり「きよしこ」は外せません。
吃音に悩む小学生が大人になるまでのお話。
吃音のせいで飲み込んでしまういろんなモヤモヤが描かれています。吃音じゃなくても、何かを飲み込んでしまっている人に読んでほしいです。

きみの友だち

中学生におすすめ小説ランキングTOP10で1位に選ばせていただいている作品です。
「一人っ子同盟」より登場人物が多く、もう少し大人向け。
友人の死というテーマにも触れており「友達」ってなんなんだろうと考えさせられます。

くちぶえ番長

「一人っ子同盟」と一番近いかんじの話がこれです。
小学五年生の男の子が主人公のお話。
小学生でも読みやすい分厚さとテンポだったと思うので、読書が苦手な子でも読みやすいです。

親子で楽しめる!

今回紹介した作品は親子で楽しめるのがいいところだと思います。
親が自分で読んで子供に勧められる作品ってファンタジーくらいしかなかなかないと思うのですが(性描写やグロ描写を避けると)、重松清さんの作品は非常に勧めやすい小説が多いです。
※「エイジ」とか「疾走」はグロめなので注意。

他にも森絵都さんやあさのあつこさんの小説は、親子で楽しめるものが多いですね。

私自身、昔親から本を借りて感想を言い合うことでコミュニケーションが増えた経験があります。最近では子どもの読書離れが話題にさえならなくなってきてしまいましたが、ぜひ親子で読書コミュニケーションをはかってほしいなぁと個人的に感じます。

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